火災保険 最長契約が10年から5年に短縮見込み 保険料負担が増える?

2021年の保険料改定

火災保険 最長契約が10年から5年に短縮見込み 保険料負担が増える?

・火災保険の契約期間について、損害保険会社は10年から5年に短縮することを検討しています
・契約期間が短縮された場合、保険料の総支払額が増えるなど影響があります
・今の契約が10年契約でない場合には割引率の高い10年契約の検討をお勧めします

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【10年から5年に…】火災保険の最長契約期間が短縮で保険料負担が増える!?

大手損害保険会社が10年契約の火災保険を廃止し、最長で5年契約とする検討を実施

大手損害保険会社が「火災保険における現在の最長契約期間10年を廃止し、最長で5年契約とする」検討をしているとのことです。

大手損害保険各社が、火災保険の契約期間を現行の最長10年から5年に短縮する検討を始めた。損保各社は相次ぐ自然災害で保険金支払いが急増しており、収支改善のため保険料の値上げに踏み切っている。契約期間も短くすることで値上げした最新の保険料を反映させる機会を増やすのが狙いだが、契約者の負担は増えることになる。

 火災保険は、契約を結んだ時の保険料が契約期間中は変わらず適用される。現行は最長10年で、例えば2020年4月1日に契約を結べば、損保会社が最新の保険金支払い状況などを踏まえ新規契約の保険料を引き上げても、契約時の安い保険料が30年3月末まで適用される。

(出典)毎日新聞「火災保険契約期間を5年に短縮を検討 相次ぐ自然災害で支払い急増 値上げしやすく」

 

 

火災保険の契約期間短縮の背景とは?

なぜ、火災保険の契約期間短縮の検討がなされているのでしょうか。

10年先のリスク予測が難しい

火災保険の保険料は、10年(最長)の契約期間中に、どれくらいの割合で災害が発生するかを推計して決定しています。

近年の地球温暖化により自然災害の将来予測に不確実な要素が増しており、10年先の災害リスクを予測することが難しくなってきていることが要因のひとつです。

 

 

保険会社の収支が悪化

つぎに、損害保険会社の収支の悪化があります。

近年の大型台風およびゲリラ豪雨等の自然災害の多発により、損害保険会社が取り扱う火災保険の収支は急激に悪化傾向にあります。

下記の表は、過去の地震を除く主な自然災害を支払保険金順にしたものです。

赤字で示している通り、2018年6月以降に支払保険金額の上位10件に入る災害が3つも発生していることがわかります。

 

過去の主な自然災害(地震を除く)

順位災害名主な罹災地域支払保険金
12018年9月 台風21号大阪・京都1兆678億円
21991年9月 台風19号全国5,680億円
32004年9月 台風18号全国3,874億円
42014年2月 雪害関東中心3,224億円
51999年9月 台風18号熊本・山口・福岡3,147億円
62018年10月 台風24号東京・神奈川・静岡3,061億円
72018年7月 中四国豪雨岡山・広島・愛媛1,956億円
82015年8月 台風15号全国1,642億円
91998年9月 台風7号近畿中心1,599億円
102004年10月 台風23号西日本1,380億円

※支払保険金は火災、新種、自動車、海上保険の合計

(出典)一般社団法人日本損害保険協会・損害保険協会ファクトブック2019

 

2018年度は、国内自然災害に伴う大手損保の保険金支払額が、東日本大震災時を上回り過去最大となり、業界全体で1兆5,000億円を上回る保険金が支払われました。

 

主な風水災等による年度別保険金支払額の推移

主な風水災等による年度別保険金支払額

(出典)損害保険協会ファクトブック2019

 

ちなみに、2019年には台風15号、台風19号と大きな水害が発生しました。2019年も保険金支払いが2兆円を超えると見込まれるとの報道もあります。

“米格付け会社のS&Pグローバル・レーティングは11月11日、9月に発生した台風15号と10月の台風19号による日本の損害保険会社の保険金支払額に関する試算を発表した。支払額が全体で2兆円を超える可能性があり、損保各社の収益性低下の要因になるとしている。

保険会社の保険金支払いの一部を肩代わりする再保険に関し「料率の引き上げが見込まれる」と指摘。再保険料を支払う損保各社の負担が増すとの見方を示した。”

(出典)共同通信「台風保険金で損保収益低下」

 

以上のことから、風災および水災による支払保険金は業界全体で急激に増加しつつあり、この 傾向は当面継続するものと考えられます。

こういった状況を受け、収支悪化により火災保険が成り立たなくなることを防ぐため、損害保険会社各社は近年、短期のスパンで値上げをしています。

参考記事 火災保険2019年10月値上げ!保険料2倍超の場合も

参考記事 火災保険2020年値上げ!新たに築浅割引も導入

参考記事 【火災保険2021年値上げ】大手損害保険会社が2021年1月に一斉値上げ

 

 

 

なぜ火災保険の契約期間の短縮をするの?

ただ、値上げをするだけでは収支改善は難しいようです。そこで契約期間短縮ということになります。

どういうことでしょうか?解説します。

 

現状、契約期間は最長10年です。

10年の火災保険を契約したAさんがいたとします。

契約した2年後に保険会社がは災害の発生状況、保険金の支払い状況に応じて値上げを行いました。

しかし、Aさんが値上げされた保険料率の契約に更新をするのは8年後、ということになります。

これでは、値上げをしたとしても保険会社の保険料収入が増えるにはかなりの期間を要することになります。

 

最長の契約期間が5年であれば、Aさんが値上げされた保険料率の契約に更新をするのは3年後、ということになります。

契約期間短縮により、「保険料値上げ→更新→保険料収入が増える」というサイクルを短縮化する効果があり、保険会社にとっては収支の改善につながります。

 

 

2015年には最長36年の火災保険が最長10年に短縮された

火災保険の期間短縮は初めてのことではありません。

2015年9月以前は火災保険の最長契約期間は36年でしたので、ほとんどの住宅ローンの完済期間まで1回の保険契約で済ませることができました。

しかし、2015年10月以降は、最長10年契約となりました。

背景は今回と同様で、台風や台風以外の風災、雹(ひょう)災、雪災などの自然災害による支払保険金の増加や、建物の老朽化による水濡れ事故の増加による支払保険金の増加です。

将来発生する災害の規模や頻度の予測がしづらく、予測期間が長くなるほど、災害の規模や頻度のブレ幅が大きくなるため、10年を超える契約(保険期間)では、リスク評価が難しくなったということでした。

 

現在は、10年先のリスクも予測しづらい、そういう状況になりつつあるということですね。

 

 

 

今は・・火災保険は10年一括払いで保険料が約18%割引になる

では、契約期間の短縮が私たちにとってどういう影響があるのか見ていきましょう。

まずは現在、住宅の火災保険は最長10年で新規契約が可能です。

火災保険には長期契約割引があり、契約期間が長いほどその割引率は大きくなりますので保険料は割安です。

 

火災保険における長期契約一括払いの保険料割引率

契約年数割引率
2年7.76%
3年10.16%
4年12.55%
5年14.16%
6年15.12%
7年15.77%
8年16.38%
9年17.32%
10年18.07%

※割引率はすべての保険会社で同一とは限りません

※保険会社や契約のプランによっては長期契約ができない場合もあります

※2019年10月1日現在の1年契約と比べた長期契約の割引率となっています

 

上の表の通り、最長の10年契約の一括払いでは1年契約に比べ、保険料を約18%節約することができます。

 

 

火災保険契約期間が5年に短縮された場合の影響は?

契約期間が5年になると大きく下記の3つの影響があります。

 

 

保険料の総支払額が高くなる

火災保険は長期契約になるほど保険料が割安に設定されています。

同じ10年間契約するにしても、10年契約と5年契約2回では10年契約の方が保険料総額は安くなります。

 

保険料改定の影響を受けやすくなる

保険会社が災害の発生状況などを受けて保険料の改定を行っても、改定前に契約した火災保険がすぐに変更になるわけではありません。

契約者が保険料改定の影響を受けるのは改定後に新規契約あるいは更新をしたタイミングとなります。

最長10年契約が最長5年に短縮されることで、保険料改定の影響を短期に受けることになります。

 

 

災害等での発生が少なく、保険料改定によって値下げになった場合、10年を待たず5年後の更新時に値下げした保険料に変更できる利点もあります。

ただ、直近の自然災害の発生状況を踏まえると、そういうケースは想定し難く、契約者は5年ごとに契約を更新するたびに保険料の値上げに直面する可能性が高くなります。

 

火災保険の見直しがしやすくなる

火災保険の見直しのきっかけとなりやすいのは更新のタイミングだと思います。

その更新のタイミング10年ごとではなく5年ごとにやってくるので、補償内容の確認・見直しはしやすくなるでしょう。

 

 

 

一度火災保険の確認を

もしかしたら10年契約の火災保険に加入できる期間は残り短くなってきているのかもしれません。

これから火災保険の加入を検討している方も、既に現在火災保険に加入している方で10年の最長契約でない場合、割引率の高い長期の火災保険について検討してみることをお勧めします。

 

保険相談サロンFLPの火災保険無料見積もりサービス

保険相談サロンFLPでは、2つの火災保険無料見積もりサービスを行っております。

どちらのサービスも、「加入するかどうか」はお客様の自由ですので、情報収集としてお気軽にご利用いただけます。

 

①店舗で無料見積もり相談

保険相談サロンFLPの店舗で複数保険会社の火災保険をお見積りすることが可能です。

火災保険加入中の方は、保険証券をお持ちいただくと、スタッフが現状のプランと新しいプランを比較しながら補償内容等の解説をいたします。

 

②WEB/郵送での一括無料見積もり

WEB上で見積もり依頼をし、郵送等で見積もりを受け取ることができる、「火災保険一括見積もりサービス」も受け付けております。

 

火災一括見積もりサービス

 

 

この記事の著者

ファイナンシャルプランナー

2007年に株式会社F.L.Pに入社し、現在「保険相談サロンFLP」サイトのプロダクトマネージャーを務める。

ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、保険業界経験13年で得た知識と保険コンサルティングの経験を活かし、保険相談サロンFLPサイトの専属ライターとして、本サイトの1500本以上の記事を執筆。

併せて、保険相談サロンFLP YouTubeチャンネルにてファイナンシャルプランナーとして様々な保険情報の解説も行っている。

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