火災保険に、水害(豪雨・台風)に備える水災補償は必要?

火災保険Q&A

火災保険に、水害(豪雨・台風)に備える水災補償は必要?

(最終更新日:2019年08月29日)

火災保険の水災補償とは

火災保険でいう「水災」とは、台風・暴風雨・豪雨による洪水、融雪洪水、高潮、土砂崩れなどをいいます。

 

水災補償とは、火災保険に付けられるオプションの補償の一つです。

水災補償を付ければ、下記のいずれかの場合、保険金を受け取ることができます。

  • 水災により、建物または家財それぞれの時価の30%以上の損害が発生した
  • 床上浸水により損害が発生した
  • 地盤面から45cmを超える浸水による損害が発生した

 

火災保険に水災補償を付けるかどうかは選ぶことができる

ほとんどの火災保険の場合、水災の補償を付けるかどうかを契約時に選べます。

当然、水災の補償を付けたほうが保険料は高くなります。

 

 

火災保険に水災補償をつけるべき?

火災保険に付加することで水害に備えることができる水災補償ですが、付けたほうがいいのでしょうか。

まずは、水害が近年増えている実状を見ていきましょう。

 

 

温暖化による気候変動は既に顕在化

近年、世界中で強い台風やハリケーン、集中豪雨、干ばつや熱波などの異常気象による災害が各地で発生し、甚大な被害が毎年のように報告されています。

 

「気候システムの温暖化には疑う余地がなく、大気と海洋は温暖化し、雪氷の量は減少し、海面水位は上昇している」と言われています。

(出典)気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書

 

温暖化による気候変動は日本でも

日本でも、気温の上昇や大雨の頻度の増加、海面水温の上昇等が現れており、気候変動の影響がすでに顕在化していることが示されています。

 

日本における年平均気温の経年変化

日本における年平均気温の経年変化

※基準値は1981~2010年の30年平均値

※折れ線は国内15観測地点での年平均基本の基準値からの偏差の5年移動平均値、直線は長期変化傾向を示す

(出典)気象庁「気候変動監視レポート2017」

 

 

日降水量400mm以上の年間観測回数

日降水量400mm以上の年間観測回数

※縦軸は1,000地点当たりの年間日数、棒グラフは各年の年間日数、直線は長期変化傾向を示す。

(出典)気象庁「気候変動監視レポート2017」

 

 

水害(大雨・台風)が近年多発している

地球温暖化の影響もあり、近年、大型台風やゲリラ豪雨、水災、雪災等、自然災害による大きな被害が多発しています。

 

実際に、自然災害を原因とする火災保険の支払保険金額(全社合計)は2011年度以降、2000年代平均額を大きく上回る状態が続いています。

特に2018年度は台風21号を始め、過去の自然災害で支払保険金額の上位10件に入る災害が相次ぎ、業界全体で1兆円を上回る支払保険金が見込まれています

 

国内自然災害(除く地震)による火災保険支払保険金の推移

国内自然災害(除く地震)による火災保険支払保険金の推移

※支払保険金は、全社・全物件の風・雹ひょう・雪災、水災による支払保険金の合計

※「1980」は1984~1989年度の平均、「1990」は1990年度の平均、「2000」は2000年度の平均

(出典)損害保険料率算出機構

 

過去の主な自然災害(地震を除く)

順位 災害名 主な罹災地域 支払保険金
1 2018年9月 台風21号 大阪・京都 9,698億円
2 1991年9月 台風19号 全国 5,680億円
3 2004年9月 台風18号 全国 3,874億円
4 2014年2月 雪害 関東中心 3,224億円
5 1999年9月 台風18号 熊本・山口・福岡 3,147億円
6 2018年10月 台風24号 東京・神奈川・静岡 2,868億円
7 2018年7月 中四国豪雨 岡山・広島・愛媛 1,902億円
8 2015年8月 台風15号 全国 1,642億円
9 1998年9月 台風7号 近畿中心 1,599億円
10 2004年10月 台風23号 西日本 1,380億円

※2018年3月末時点、2018年度発生災害は、2019年3月11日現在の支払見込み額を含む

※支払保険金は火災、新種、自動車、海上保険の合計

(出典)一般社団法人日本損害保険協会

 

 

火災保険に水災補償を付けているのはどのくらいの割合?

ここまでで、近年水害が増えていて、水災の補償がますます重要になっていることがわかりました。

では、水災の補償を付けている世帯の割合はどのくらいなのでしょうか。

 

 

持家世帯における建物対象の火災保険(共済含む)の加入状況

持家世帯における建物対象の火災保険(共済含む)の加入状況

 

(出典)平成29年 内閣府 保険・共済による災害への備えの促進に関する検討会報告

 

全持家世帯3,502万世帯のうち、66%(2,307万世帯)は水災補償を付加した火災保険・共済に加入しています。

言い換えると、34%(1,195万世帯)は水害に対する補償が無いということになります。

水害リスクが低い地域もありますので、必ずしも全ての世帯がする必要はないですが、水害リスクの高い地域に居住している世帯であれば加入の検討はした方がよさそうです。

 

 

水災リスクを確認して、火災保険に水災補償を付加するかどうか決める

自分が住む地域の水害リスクがどの程度あるのか、把握するには各自治体が発行している「ハザードマップ」が有効です。

あとは

  • 海や河川が近くにあるかどうか
  • 家が高台にあるかどうか
  • 家の近くに土砂崩れが起きそうな斜面があるかどうか
  • マンションの場合、専有部分の階数

 

なども参考に検討しましょう。

 

 

火災保険にこれから加入する方は水災リスクを考慮したうえで、水災の補償を付けるかどうかを決めるとよいでしょう。

火災保険に加入済みの方は、改めて自分が加入している火災保険で水災が補償されるか確認しておきましょう。

 

また、2019年10月、主要保険会社で火災保険の値上げが実施される予定です。値上がり前に10年の長期契約の火災保険に加入すると、長期割引が適用され、保険料負担を軽減できますので、そういった意味でも一度見直し検討するとよいでしょう。

(参考:火災保険料2019年10月値上げ。保険料が2倍になる場合も

 

 

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