医療保険の入院日額をいくらにすればいいか?入院時の費用実態を基に解説
(最終更新日:2020年12月16日)
医療保険を選ぶ上で、入院日額はどのように決めていけばいいのでしょうか。
目次
医療保険の入院日額とは
医療保険の入院日額とは、入院した時に受け取れる一日あたりの入院給付金の金額のことです。一般的には5,000円~20,000円などの範囲の中から1,000円単位で決めることができます。
例えば、入院日額10,000円の医療保険(日帰り入院から保障されるもの)に加入していれば、入院日数×10,000円を受け取ることができます。
受け取れる給付金は実際にかかった治療費とは関係なく受け取れますので、入院日額を決める場合には治療費がいくらかかるかを知ることが重要になります。
入院時にいくらお金がかかる?
では、入院したときにいくらかかるのでしょうか。入院時の費用は健康保険が適用される費用と、健康保険適用外の費用に分けることができます。
健康保険が適用される費用
入院時の医療費は健康保険制度により、かかった医療費の3割が自己負担になります。(70歳未満の場合)
さらに高額療養費制度に該当する場合、1ヶ月あたりで約80,000円の自己負担に押さえられます。※
10日間の入院の場合、一日につき約8,000円、
30日間の入院の場合一日につき約2,700円の自己負担額ということになります。
※高額療養費制度:その月の1日から月末までにかかった医療費の自己負担額が一定の金額を超えた分が払い戻される制度
自己負担額=80,100円+(医療費-267,000円)×1%
上位所得者や低所得者、70歳以上の方は自己負担額が上記の例とは異なります。(厚生労働省HPより)
健康保険適用外の費用
健康保険が適用にならない費用の1つは差額ベッド代です。
本人の希望や病状によっては、個室等の「特別料金」の発生する部屋で入院する事もあります。
さらに、病院備え付けのタオルやパジャマを使うための費用、 テレビカード購入等の雑費も健康保険は適用になりません。
その他に家族のお見舞いの交通費や、外食費なども増える可能性があります。
実際の医療費とその他かかる雑費を考えると、入院一日につき、10,000円~15,000円くらいの自己負担額になる方が多いです。
では実際に入院した場合、健康保険が適用される費用と、健康保険適用外の費用を合算して、どの程度のお金(自己負担)がかかるのでしょうか。
生命保険文化センターの平成25年度の「生活保障に関する調査」によると、入院時の自己負担費用は、1日平均21,000円となっています。
直近の入院時の1日あたりの自己負担費用
※対象者:過去5年間に入院し、自己負担費用を支払った人(高額療養費制度を利用した人+利用しなかった人(適用外含む)
※自己負担費用:治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や衣類、日用品などを含
む。高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額
(出典)生命保険文化センター 平成25年度「生活保障に関する調査」
医療保険の入院日額をいくらにすればいいの?
では、医療保険の入院日額をいくらにすればいいのでしょうか。
注意していただきたいのは、入院した場合の1日あたりの自己負担額の平均が2万円だからといって、必ずしも医療保険の入院日額は2万円必要というわけではないことです。
統計データによる入院時の自己負担費用は参考にはなりますが、治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や衣類、日用品など、非常に幅広い費用が含まれています。
また、手術をした場合には手術給付金も受け取れますので、1日あたりの自己負担費用全額分をカバーする入院日額にする必要はありません。
預貯金がある場合は、預貯金でまかなうのでその分入院日額を下げてもよい、という考えもあるでしょう。
入院日額を高く設定すればその分保険料も高くなりますので、バランスが大切です。
入院日額給付金の目安
結論としては、医療費の自己負担額、健康保険が適用にならない費用の両方をカバーするという目的であれば、医療保険の入院日額給付金は10,000円/日を目安に検討するとよいでしょう。
自分に合った医療保険を
同じ10,000円/日の入院日額給付金を設定したとしても、保険会社によって様々な医療保険があり、自分にあった保険を選ぶことが重要です。
例えば、入院日数の制限や手術給付金の倍率について比較するとよいでしょう。
また、先進医療特約や通院特約、生活習慣病特約などの特約の保障をつけるかどうかも検討するとよいでしょう。
・入院日額とは、入院した時に受け取れる一日あたりの入院給付金の金額のことです。
・入院時の自己負担費用は、1日平均21,000円となっています。
・入院日額は日額10,000円を目安に予算に合わせて調整するのがよいでしょう。