奨学金制度の概要と比較

教育費について

奨学金制度の概要と比較

(最終更新日:2017年10月12日)

教育費の準備方法の一つとして奨学金制度があります。ここでは代表的な奨学金制度を見ていきましょう。

奨学金制度とは

奨学金とは、能力のある学生に対して、金銭の給付・貸与を行う制度です。
奨学金には、2つの種類があります。

  • 給付型:お金をもらえる(返還の必要がない)
  • 貸与型:学生本人がお金を借り、卒業後、学生本人が返還していくもの

諸外国では給付型が多いとも言われていますが、日本では貸与型のものが一般的です。

奨学金の利用実態

大学生、短大生及び大学院生の奨学金の利用実態

(出典)日本学生支援機構「平成24年度学生生活調査

日本では、約5割の大学生が奨学金制度を利用しています。
ここでは、教育費負担をまかなう方法の一つとして奨学金制度を見ていきましょう。

奨学金の種類

奨学金制度は運営元により大きく4つに分けられます。返還の有無、支給金額、申込資格などは運営元によって異なります。

  • 日本学生支援機構(旧:日本育英会)
  • 地方自治体
  • 大学など教育機関
  • 企業などの民間の団体

それぞれの特徴などを見ていきましょう。

 

日本学生支援機構(旧:日本育英会)の奨学金制度

第一種奨学金(無利息)と第二種奨学金(利息付)があり、どちらも返還の必要があります。奨学金制度の中では最も利用者が多いです。

 

第一種奨学金 第二種奨学金
金利 無利息 3%上限(在学中は無利息)
貸付額(月額) 国公立大学:
45,000円(自宅通学者)
51,000円(自宅外通学者)
私立大学:
54,000円(自宅通学者)
64,000円(自宅外通学者)
または30,000円
30,000円
50,000円
80,000円
100,000円
120,000円
のいずれか
選考 特に優れた学生及び生徒で経済的理由により著しく修学困難な者に貸与します。 第一種奨学金よりゆるやかな基準によって選考された者に貸与します。

※金額は大学の場合です。高校や専門学校の場合も利用でき、貸付額は異なります

(出典)日本学生支援機構HPより

日本学生支援機構の奨学金は、在籍している学校(高校や大学)を通じて申し込みます。
高校在学中に申し込み、進学後に受け取る奨学金を予約する「予約採用」と、大学進学後に申請する「在学採用」の二つがあります。
大学入学後、すぐに奨学金を受け取りたい場合、「予約採用」を申し込むといいでしょう。
「在学採用」は、大学入学直後に募集があり、大学を通じて申請する形となっています。

注意点として、在学採用はもちろん、予約採用でも奨学金が受け取れるのは入学後になるということです。
入学金や初年度の授業料などは入学前に支払わなくてはならないので、奨学金をあてにすることはできません。
そのため、貯蓄や学資保険などで備えられるよう、お金の計画をきちんと立てておく必要があります。

日本学生支援機構では、ほかにも海外留学をしたい人のための奨学金や、災害に遭うなどして緊急的にお金が必要になった学生のための融資制度などがあります。

 

地方自治体の奨学金

本人または親が住んでいる地域に、奨学金制度があることもあります。
例えば、東京には公益財団法人東京都私学財団が運営する「東京都育英資金貸付事業」があります。
この事業では、通う学校の所在地が都内であることを条件に、国公立学校の場合、月額18,000円の奨学金が無利子で貸与されます。
こうした地方の奨学金は、他の奨学金制度と併用できないことも多いので、条件をよく比較して検討する必要があります。

 

大学など教育機関の奨学金制度

大学が独自の奨学金制度を設けていることがあります。もちろん各大学に在学している、または入学を予定している人向けのものです。
主に私立大にあり、貸与型、給付型の両方があります。
給付型のものは、学年に数名ずつくらいの、競争率の高いものといえます。

例えば看護大学などでは、卒業後に、その学校が関係する病院に勤務することを前提とした奨学金などもあります。
返済は病院の給与から行われることになります。
学校・病院としては働き手を確保することができ、学生側は返済の元手となる収入(就職先)を確保できるので互いにメリットはあると言えます。

大学独自の奨学金制度の場合、受験時にすでに「奨学生」として募集がある場合や、大学入学後に申請、面接などを経て支給が決まる場合もあります。
志望する各大学の制度を調べてみるとよいでしょう。

 

民間の団体、企業などの奨学金制度

民間の団体が運営している奨学金制度は、企業が慈善事業の一環として行っているものなどで、財団法人などの形で運営されていることが多いです。

  • 新聞奨学生制度
    新聞配達や集金などの仕事をするかわりに、給与として奨学金を支給する(または貸与された奨学金を配達業務の給与から返済する)というものです。
    ある意味、単なるアルバイトとも言えますが、新聞配達の業務は早朝であるため、昼間の学業との両立がしやすいというのが利点となります。
  • 日本証券奨学財団
    全国の証券会社からの寄付により設立された団体で、毎年50名程度の優秀な学生を奨学生として支援しています。
    全国で50名ですからかなりの難関と言えますが、この奨学金は給付型で、進路の制限もありません。
    金額は在学中、毎月35,000~45,000円が支給されます。
  • あしなが育英会・交通遺児育英会など
    あしなが育英会や交通遺児育英会は、保護者が病気や事故で亡くなったり、障害を負ったりした子どものための奨学金制度です。
    誰でも利用できるものではありませんが、無利子の貸与になっています。

こうした民間の奨学金は、全国から優秀な学生が応募するため、競争率が高いことが多いです。しかし、給付型であったり、他の奨学金と併用できるなど有利なものも多いので、チャレンジする価値はあるでしょう。

 

その他

奨学金とは少しニュアンスは異なりますが、その他の制度を紹介します。

  • 特待生制度
    大学によっては、入試で優秀な成績を修めた受験生を対象とした特待生制度を設けている場合もあります。
    授業料の一部あるいは全額が免除になることが多いです。
  • 地元出身者優遇制度
    公立大では、大学が設置されている地域出身の学生を優遇する「地元出身者優遇制度」があり、地域外の出身者よりも学費が安くなります。

 

奨学金が通らない場合

奨学金は審査がありますので、審査に通らない場合は利用できません。
そうなると教育ローンなどを利用することになります。
教育ローンにも、ローンとしての審査はありますが、奨学金よりは幅広く門戸は開かれています。

まとめると

・奨学金は、高校在学中に申請が必要な場合や、併用が不可な場合があったりするので、早めの情報収集が大切です。
 志望校が決まったらあわせて情報を集めましょう。
・貸与型の場合、学生本人が卒業後返済する「借金」ですので、子どもの自覚も大切になります。

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