無選択型医療保険とは?

(最終更新日:2024年03月15日)

健康状態の告知の必要がない無選択型医療保険の特徴をみていきましょう。

医療保険は加入のしやすさによって3種類に分けられる

医療保険は加入の際に健康状態の告知が必要です。

健康状態によって加入できるかどうかの基準を引受基準といいますが、医療保険は引受基準(加入のしやすさ)によって下表のような3種類に分類できます。

引受基準による3種類の医療保険の比較

通常の医療保険 引受基準緩和型医療保険 無選択型医療保険
加入のしやすさ 通常の医療保険より加入しやすい 緩和型より加入しやすい
告知項目 多い(6〜10項目程度) 少ない(3~5項目) なし
既往症の保障 保障する 保障する 保障しない
保障の免責 なし 一定期間は保障額が減額 病気については一定期間は保障対象外
保障期間 定期/終身 定期/終身 定期のみ
保険料 通常の医療保険より高い 引受基準緩和型より高い

 

 

 

無選択型医療保険とは

無選択型医療保険は、健康状態の告知の必要がない医療保険です。

一定年齢(例えば16-70歳)であれば、入院歴・手術歴があっても加入申込が可能で、申込時に面倒な医師の診査や健康告知は不要です。

「過去に病気になってしまった」など健康上の理由で一般の医療保険や引受基準緩和型医療保険に加入できなかった人でも加入することができます。

 

 

 

無選択型医療保険は持病がある人や過去に病気をした人でも加入できる

無選択型医療保険は健康状態に関する告知が不要のため、持病がある人や過去に病気をしたことのある人でも加入できます。

一方、通常の医療保険の場合には健康状態に関する告知、及び保険会社の審査が必要です。

(参考)通常の医療保険の告知項目の例

(1)被保険者の職業について(主婦・学生・資産生活者・乳幼児・年金生活者含め)

(2)以下の①~③にあてはまるものがありますか?

① 現在 入院中である

② 最近3か月以内に 入院・手術(帝王切開、内視鏡・レーザー・カテーテルによるものも含む)をすすめられたことがある(ただし、すすめられたすべての入院・手術が終わっている場合は除く)

③ 最近3か月以内に 診断確定のための検査をうけて、結果が出ていないものがある
または 最近3か月以内に 診断確定のための検査をすすめられて、うけていないものがある
「診断確定のための検査」とは、医療機関で傷病名を診断するために行う検査をいい、健康診断・人間ドック・がん検診で「要再検査」「要精密検査」などの指摘によりうける検査も含みます。

(3)過去5年以内に 下記の病気や異常で、医師の診察・検査・治療・投薬をうけたことがありますか?

がん(悪性新生物)、心臓弁膜症、心不全、大動脈解離、閉塞性動脈硬化症(ASO)、動脈瘤、肝硬変、パーキンソン病、アルコール依存症、認知症・ 認知障害(疑い含む)

(4)今までに がん(悪性新生物)にかかったことがありますか?

がん(悪性新生物)には、白血病、肉腫、骨肉腫、悪性リンパ腫、MDS(骨髄異形成症候群)、骨髄線維症などを含みます。

(5)以下の①~③にあてはまるものがありますか?

① 過去5年以内に 手術(帝王切開、内視鏡・レーザー・カテーテルによるものも含む)をうけたこと

② 過去5年以内に 医師の診察・検査・治療・投薬を7日間以上にわたってうけたこと(入院した期間も含む)

③ 過去2年以内に 医師から診察・検査をうけるようすすめられたこと

(6)過去2年以内に 健康診断・人間ドック・がん検診で、異常の指摘をうけたことがありますか?

「異常の指摘」とは、経過観察や再検査・精密検査、治療をうけるように指摘されたことをいいます。

(7)現在 以下の①~③にあてはまるものがありますか?

① 視力の障がい(矯正しても左右いずれかの視力が0.3以下)

② 聴力・言語・そしゃく機能の障がい、著しい記憶の障がい、知的障がい

③ 背骨(脊柱)・手・足・指の欠損または機能の障がい

(8)現在 妊娠していますか?(満16歳以上の女性の場合)

 

項目によっては、入院/通院/投薬/手術の詳細履歴及び経過、指摘内容などについて告知が必要となります。

さらに、告知内容を踏まえて保険会社の審査が行われます。審査結果によっては加入できなかったり、条件がついてしまうこともあります。

無選択型医療保険に比べ加入のハードルが高いのがお分かりかと思います。

 

 

 

無選択型医療保険の保障内容

無選択型医療保険の保障内容は、通常の医療保険と同じく入院給付金と手術給付金が基本保障となります。

 

無選択型医療保険は、病気の保障開始は91日目から

無選択型医療保険では、病気に関しては加入後90日間は保障対象外になるのが一般的です。

保険始期日からその日を含めて91日目(疾病責任開始日)以降に発病した病気による入院や手術が対象となります。

けがの保障は保険始期日からスタートします。

無選択型医療保険の保障イメージ

無選択型医療保険の保障イメージ

 

 

無選択型医療保険は、現在治療中の病気や既往症に関しては保障の対象外

無選択型医療保険では、下記の場合は保障の対象になりません。

●病気の保障開始日前に発病していた病気

●病気の保障開始日前に発病し、保障開始後も引き続き治療されている病気。その病気と医学上重要な関係があるとされる一連の病気を含みます。

●保険始期日からその日を含めて90日以内に発病した病気

ただし、病気の補償開始日からその日を含めて2年を経過した日の翌日以降に開始した入院・手術について、その入院・手術の原因となった病気が病気の補償開始日前に発病したものであっても、病気の補償開始日からその日を含めて2年以内にその病気の治療を目的として、入院・手術のいずれもしていない場合は、補償の対象となります。

 

 

無選択型医療保険は定期型のみ

無選択型医療保険は保険期間が定期(5年など)に限られます。

保障を継続するためには更新のたびに保険料が上がりますので注意が必要です。

 

また、更新ができる年齢には上限があり、保険商品にもよりますが「最長75歳まで自動更新」というように、保障が終身ではないことにも注意が必要です。

 

 

 

無選択型医療保険の保険料は割高

健康状態の告知の必要がない分、一般の医療保険や引受基準緩和型医療保険と比べると保険料が割高になります。

 

通常の医療保険や緩和型医療保険に加入できない場合、保険料とのバランスをみながら、無選択型医療保険を選ぶのも選択肢の一つでしょう。

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