生命保険ってなに?-相互扶助の仕組みと生命保険の起源-

(最終更新日:2019年12月18日)

人生における様々なリスク

人生の中では様々なリスクが存在しています。
病気や災害によっていつ死亡したり入院したりするか分かりません。
また、病気やケガが原因で介護状態になってしまうかもしれません。
そして、何もなく長生きしたとしてもずっと十分な収入があるとは限りません。
このように、私たちは一生を通じて、常に収支のバランスがくずされる危険にさらされています。
これらの危険に対して、いざというときに経済的に困らないように、事前に準備しておくことが必要です。
その備えの1つとして保険があります。

 

 

生命保険は「相互扶助」の仕組み

生命保険の考え方に「一人は万人のために、万人は一人のために」という相互扶助の精神があります。
たくさんの人が少しずつお金を出し合って、大きな共有の準備財産をつくり、万が一の事があった場合には、 その中からまとまったお金を出し、経済的に助け合うという仕組みになっています。
誰にでも人生の中で経済的リスクに直面する可能性があります。ですが、いつ起こるのかは誰にも分かりません。
急にリスクに直面した時には、貯蓄だけでは足りないことも出てくるかもしれません。
そんな時に保険の仕組みを使うことで、みんなで少しずつ出し合ったお金を、リスクに直面した人へ分け与えることが出来るのです。

 

生命保険の始まりは様々な説がありますが、中でも有名なのが17世紀にイギリスで始まったというものです。

 

 

助け合いの精神から生まれた生命保険

生命保険は中世ヨーロッパの都市で組織された同業者組合である「ギルド」が始まりという説があります。
冠婚葬祭など組合員の経済的マイナスを組合全体で分担しあっていたことから、このギルドを生命保険の起源とする説があります。
さらに17世紀には、イギリスのセントポール寺院で、教会の牧師たちが組合を作り、自分たちに万が一のことがあった場合に、 遺族へ生活資金を出すために保険料を出し合う制度をはじめました。
このように生命保険の起源ともいえる「ギルド」は相互扶助の精神から生まれたのです。

 

 

保険料を公平にする制度が生まれた

セントポール寺院で始まった制度は、皆が同じ金額を支払っていたために、組合員が亡くなったりして減ってしまうと、 約束した香典の金額を支払うことができなくなり潰れてしまいました。
その後、18世紀になると天文学者によって、実際の死亡率に基づいた生命表が作られました。
この生命表によって、合理的に保険料計算した「生命保険」が作られました。

 

 

生命保険会社の設立

人々の生活がしだいに変わっていく中で、病気や入院、ケガなどの経済的なリスクに備えるために、
イギリスでは1762年に生命保険会社が初めて設立されました。
また、日本においてはイギリスに遅れること約100年、1867年に福沢諭吉が欧米の近代的保険制度を
「西洋旅案内」で初めて紹介したことが発端となり、1881年に日本で初めて生命保険会社が設立されました。

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