不妊治療の費用は健康保険適用?国の助成制度と民間の医療保険でできる備えを解説

医療保険Q&A

不妊治療の費用は健康保険適用?国の助成制度と民間の医療保険でできる備えを解説

身体だけではなく心の負担も大きい不妊治療。
不妊治療は、一部の治療では健康保険適用外となり、全額自己負担となるので治療費の負担も大きくなる可能性があります。
不妊治療に対する公的な助成制度と不妊治療に備える民間の医療保険について解説します。

不妊治療の保険適用実現を菅総理大臣が明言

菅総理大臣が、2020年9月16日の記者会見で不妊治療の保険適用実現を明言したことで、不妊治療の保険適用について注目が集まると共に期待が高まっています。

出産を希望する世帯を広く支援し、ハードルを少しでも下げていくために、不妊治療への保険適用を実現します。安心して子供を産み育てることができる社会、女性が健康に活躍することのできる社会、そうした環境をしっかりと整備していきたいと思います。

令和2年9月16日 菅内閣総理大臣記者会見

 

不妊症とは

不妊症とは、避妊をしないで性生活を継続的にしているにもかかわらず、1年間妊娠が成立しない状態を指します。

不妊症の原因は、男性・女性いずれか(あるいは両方)の原因を特定できることがある反面、はっきりした原因が特定できないケースもあります。

不妊症による治療効果は、早い段階で行うほど高い奏功率が期待できます。年齢と共に妊娠率は低下するため、 なかなか妊娠に至らない際には、早い段階で治療を検討してみることも大切です。

(出典)Medical Note「不妊症」

 

不妊治療の種類

不妊治療の種類は、タイミング法、人工授精、体外受精等の高度生殖医療(生殖補助医療)などの治療法があります。

タイミング法は排卵日を推測し、タイミングを指導する治療法で、不妊治療のファーストステップです。

そして、タイミング法では上手くいかなかった患者さんや、年齢が高齢で妊娠を急がれる場合は人工授精や高度生殖医療(生殖補助医療)である体外受精、顕微授精、凍結胚移植を実施していきます。

(出典)Medical Note「不妊治療とは? - 概論」

 

 

不妊治療は現在でも一部健康保険適用

現時点では不妊治療は健康保険適用されないのでしょうか?

実は、現時点でも一部の不妊治療については健康保険が適用されるものがあります。

また、全額負担となる健康保険適用外の不妊治療もあります。(2020年9月現在)

 

 

不妊治療の費用例

では、不妊治療の費用について、健康保険適用のものと適用外のものに分けて見ていきましょう。

 

健康保険が適用される不妊治療の費用

不妊治療で健康保険の適用となる治療はタイミング法です。

タイミング法 数千円~1万円台

(出典)Medical Note「不妊治療とは? - 概論」

その他、不妊治療に伴う検査(血液検査・ホルモン検査・子宮卵管造影検査・超音波検査など)も健康保険適用となる場合があります。

 

 

健康保険適用外の不妊治療の費用

人工授精や高度生殖医療(生殖補助医療)は自由診療となり、保険適用外となっています。

人工授精 2万円から3万円

体外受精胚移植 最低30万~40万円(顕微授精や胚盤胞培養、胚凍結が加わると50~60万円以上)

(出典)Medical Note「不妊治療とは? - 概論」

同じ治療法であったとしても、医療機関により金額は異なるため、事前に確認することが重要です。

いずれにしても、この金額を全額自己負担となると経済的な負担はかなりの金額になってしまいます。

また、治療の結果、確実に妊娠できるというわけではありませんから、治療が複数回に及ぶこともあります。やはり経済的な負担は少なくありません。

 

 

不妊治療に対する国の助成制度「不妊に悩む方への特定治療支援事業」

高額になってしまう不妊治療について、国では助成制度「不妊に悩む方への特定治療支援事業」を設けています。

不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、高額な医療費がかかる、配偶者間の不妊治療に要する費用の一部を助成しています。

直近では平成29年度に延べ139,752件の助成実績があります。

 

対象となる治療

体外受精及び顕微授精(以下「特定不妊治療」といいます)

 

対象者

(1)特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、又は極めて少ないと医師に診断された法律上の婚姻をしている夫婦

(2)治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦

 

給付内容

(1) 特定不妊治療に要した費用に対して、1回の治療につき15万円(凍結胚移植(採卵を伴わないもの)等については7.5万円)まで助成。
通算助成回数は、初めて助成を受けた際の治療期間の初日における妻の年齢が40歳未満であるときは6回(40歳以上であるときは通算3回)まで。
ただし、平成25年度以前から本事業による特定不妊治療の助成を受けている夫婦で、平成27年度までに通算5年間助成を受けている場合には助成しない。

(2) (1)のうち初回の治療に限り30万円まで助成。(凍結胚移植(採卵を伴わないもの)等は除く)

(3) 特定不妊治療のうち精子を精巣又は精巣上体から採取するための手術を行った場合は、(1)及び(2)のほか、1回の治療につき15万円まで助成。(凍結杯移植(採卵を伴わないもの)は除く)

(4) (3)のうち初回の治療に限り30万円まで助成。

 

所得制限

730万円(夫婦合算の所得ベース)

 

指定医療機関

事業実施主体(都道府県、指定都市、中核市)において指定された医療機関で受けることができます。

厚生労働省「不妊に悩む夫婦への支援について」

 

自治体に不妊治療の助成制度がある場合も

その他、自治体で独自の助成制度がある場合があります。お住まいの自治体のホームページ等で確認すると良いでしょう。

例えば、東京都の場合、所定の不妊治療1回につき最大30万円まで助成が受けられます。

出典:東京都特定不妊治療費助成の概要

 

 

 

不妊治療で給付を受けられる民間の医療保険は?

不妊治療は健康保険適用外の治療も多く、治療費が高額になる可能性がある中で、民間の医療保険で不妊治療に備えることはできるのでしょうか?

一部の生命保険会社では、特定の不妊治療を受けた場合に一時金が受け取れる保険が発売されています。

参考:日本生命「ニッセイ 出産サポート給付金付3大疾病保障保険 ChouChou!」

ただ、注意点があり、不妊治療中に加入することはできず、責任開始日から2年経過をしてから受ける不妊治療が対象となります。

 

 

 

※この記事は、執筆時に公開されている最新の情報をもとに作成していますが、閲覧されている時点の情報に差異がある可能性がございます。最新の情報を必ず確認をするようにしてください。

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