フリーランスが知るべき公的医療保険の種類と違いを解説します。

(最終更新日:2020年09月14日)

昨今、日本でも会社や団体などに所属せず、仕事に応じて自由に契約するフリーランスと呼ばれる方が増えています。
フリーランスは会社勤めのサラリーマンとは加入できる公的医療保険が違いますので、脱サラを検討されている方は、あらかじめ知識を備えておきましょう。

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フリーランスは健康保険に加入できないのか?

そもそも健康保険とは同じ職業や就業形態についている人を対象にした公的な医療保険で、企業や団体に雇われているサラリーマンや公務員が加入する保険です。

フリーランスや自営業の方が加入することはできませんが、日本には「国民皆保険制度」という制度があり、国民全員が何らかの公的医療保険への加入を義務化されています。

では、フリーランスが加入可能な公的医療保険にはどんな種類があるのでしょうか。

 

フリーランスが加入可能な公的医療保険

フリーランスが公的医療保険に加入する方法は主に「国民健康保険への加入」「健康保険の任意継続」「国民健康保険組合の加入」の3つが挙げられます。

それぞれを加入方法や特徴を種類別に解説します。

 

国民健康保険

国民健康保険は、地方自治体が運営している健康保険で、フリーランスや自営業者、フリーターまた無職の人など、健康保険(社会保険)に加入していない人・できない人が加入する保険です。

また、脱サラなどを理由に健康保険を脱退・異動し、公的医療保険を国民健康保険にされる場合は 原則14日以内にに加入しなければなりません。

国民健康保険への加入手続きはお住まいの市区町村の役所窓口でできます。

必要な持ち物は主に下記の4点です。

  • 健康保険の喪失日がわかる書類(退職証明書、退職日の記載がある源泉徴収票など)
  • 身分証明書(運転免許証など)
  • マイナンバーカードなど個人番号の確認ができるもの
  • 印鑑

 

国民健康保険の保険料は各市区町村、前年度の所得により決まります。

また、健康保険であれば保険料の負担を会社と折半しますが、国民健康保険は全額自己負担となります。

その他にも、病気やケガで仕事を休む場合に支給される「傷病手当金」や「出産手当金」は、国民健康保険では受けることができないため、給付の対象範囲には大きな差があります。

国民健康保険の場合は、健康保険と異なり、被扶養者という区分はありませんので、扶養に該当する家族がいたとしても、各々が国民健康保険に加入する必要があるので、注意しましょう。

 

健康保険の任意継続

脱サラなどで会社を退職した場合は、所属していた会社の健康保険を任意継続する方法があります。

退職日まで2か月以上健康保険を継続している場合、退職後20日以内に契約を延長するように申し出ることで最長2年間まで任意継続が可能です。

2年が経過し、資格喪失後は国民健康保険などに加入しなければなりません。

健康保険を任意継続する大きなメリットは配偶者など扶養家族の1年間の収入が130万円未満であること、扶養家族と同居しているなど一定の条件を満たせば、扶養家族の保険料は負担しなくても良い点です。

そのため扶養家族が多い場合などは、こちらの方が得になります。

任意継続を行う際に、自分の扶養家族が対象になるか確認しておきましょう。

しかし、滞納に厳しく一度でも1日でも支払いが遅れたら脱退させられてしまいます。

また、会社員時と違い会社と保険料の折半ではないので、今までの保険料から倍額の負担になりますので注意しましょう。

 

国民健康保険組合への加入

次にご紹介するのが、国民健康保険組合への加入の方法です。

国民健康保険組合とは、正確に言うと国民健康保険の一種で、医師や弁護士、美容師など同種の事業・業務の従事者で組織されている健康保険組合団体の運営する国民健康保険で、フリーランスの場合、「文芸美術国民健康保険組合」に加入できる可能が高いです。

前年度の所得によって保険料が変わる市区町村が運営する国民健康保険と違い、保険料が一律*な事が特徴で、具体的には年収が300万円が超える場合には、国民健康保険組合の方がお得になる場合があるので、ご自身の所得を確認の上、加入を検討しましょう。

*一部保険料が変動の組合もあります。

 

フリーランスが加入可能な公的医療保険まとめると

今回はフリーランスの方、これからフリーランスになる事を検討している方は知っておくべき公的医療保険について解説しました。

サラリーマンなどが加入する健康保険には加入できませんが、フリーランスであっても、日本では公的医療保険への加入が義務付けられている為、市区町村の運営する国民健康保険に加入する。退職後2年間は健康保険を任意継続する。国民健康保険組合に加入する。以上の選択肢からご自身に合った公的医療保険を検討しましょう。

また、民間の医療保険の加入を検討されている場合、公的な医療保険の保障内容や入院時の費用についても把握しておくと良いでしょう。

当サイトの記事で健康保険制度についても詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

医療保険の加入 検討前にチェック!健康保険制度と入院時の自己負担費用

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